飲食店の内装業者の選び方とは？ポイントや注意点、種類別のメリット・デメリット

飲食店の内装は、お店の成功に大きく影響します。適切な内装業者を選ぶことは店舗の雰囲気を決定し、顧客の印象を形成するうえで重要な要素です。しかし、内装業者にはそれぞれが得意とする分野や特色があるため、自店に最適な業者を選ぶのは一筋縄ではいきません。 

どの業者が自店のコンセプトや予算に合うのか、どのようなサービスを提供しているのかを理解することが、理想の店舗空間を実現する第一歩です。今回の記事では、飲食店の内装業者の選び方と、選ぶ際に注意すべきポイントについて詳しく解説します。

飲食店の内装業者の種類とメリット・デメリット

飲食店の内装業者の種類と得意分野、それぞれの業者に依頼するメリット・デメリットについて解説します。

デザイン・設計のみの内装業者

デザイン・設計のみの内装業者は、高品質なデザインを求める場合に適しています。デザイン・設計のみという特性上、施工は別の業者に依頼する必要があります。

メリット

デザインの専門家であり、高い品質のデザイン提案が期待できます。店舗のコンセプトに沿った独創的なデザインの内装を求めている場合は、良質なデザイン案の提案を受けられるでしょう。

デメリット

設計が完了したら、複数の施工業者から工事費用の見積もりを取り、最適な業者を選定する作業が負担になる可能性があります。

また、設計費と工事費が別々に発生するため、総工費が高くなる傾向があります。設計と施工業者が異なるため、工事完了までの時間が長引くことも考えられます。

施工のみの内装業者 

施工のみの内装業者は現場での施工能力に重点を置いています。デザインや店舗設計に関する提案に力を入れていないため、デザイン性の高い内装を期待するのは難しいでしょう。 

メリット

最大のメリットはコスト削減です。施工に特化した内装業者の場合、職人を自社で手配することで施工費用を低く抑えられる可能性が高いです。また、施工に特化しているため、現場での対応力に優れた業者も多いです。工事がスムーズに進行しプロジェクトを予定通りに進めやすい環境が生まれるでしょう。 

デメリット

デザインや設計に関する専門性が低いことです。デザインを外注する場合でも、依頼主が外注先を選べないことが多く、結果として望むようなデザインにならない可能性があります。デザイン面で特定の要望がある場合には、他のタイプの業者を検討しましょう。 

デザイン・設計・施工すべてに対応可能な内装業者

デザイン・設計・施工のすべての工程を自社で対応する内装業者もいます。工事完了までの期間が短縮されるため、より早く店舗を開業することが可能です。 

メリット

最大のメリットは、一貫したサービスによる効率性とコスト削減です。発注先が一ヵ所で済むため、プロジェクト管理が容易となり無駄な経費を削減できます。また、設計と施工の緊密な連携によりデザインの精度が向上し、計画通りの結果が得やすくなります。全工程を一社が担当するため短期間で工事が完了し、より迅速な店舗開業が可能です。 

デメリット

特定分野の専門性において、さまざまなレベルの業者が存在することに留意が必要です。非常に高い専門性を持つ会社もありますが、すべての業者が同じレベルの専門性を持っているわけではありません。また、自社で職人を抱えていない場合は、下請け業者や外部の職人へ依頼することにより費用が高くなるケースこともあります。 

業者選定の際には、各業者の専門性やコスト構造を詳細に検討することが重要でしょう。 

要注意な内装業者の特徴

さまざまな内装業者が存在しますが、なかには要注意な業者もいます。一部の悪質な業者を回避するためにも、以下の特徴を備えている業者との交渉には十分に注意しましょう。

過去の実績を提示しない

内装業者選びにおいて、過去の実績の提示は重要な指標の一つです。過去の実績を参照することで業者の経験や能力を確認できます。特に飲食店の内装は、吸排気装置や給排水設備などの特殊な設備が必要なため、これらの実績がある業者を選ぶことが望ましいでしょう。 

過去の実績を提示しない業者は、実際の経験や専門性が不足している可能性があるため注意が必要です。 

とにかく安さを売りにしている内装

安さを強調する内装業者にも注意深く向き合うことをオススメします。質の高い仕事を提供する会社は軽々しく「どこよりも安い」とは言いません。特に内装工事において、資材や人件費などのコストがなぜ必要なのかを説明せずに見積もりを出す業者は信頼できません。他社よりも安い理由が明確でない場合は、品質やサービスの低下の可能性があるため慎重に検討しましょう。

気軽に相談しづらい

内装工事において、コミュニケーションは極めて重要です。カウンターの材質、床や天井の仕上げ、壁の素材や色などを、視覚的に理解しやすい方法で提案してもらう必要がありますし、口頭説明だけでは素人には判断が難しく、完成後にトラブルにつながることもあります。

図面や写真での提案や相談が可能かどうかを確認し、発注前に完成イメージの提示を受けることが重要です。CADなどのツールを活用して、施工前に具体的なイメージを共有できる業者を選びましょう。 

他社のデザインを使う

他社のデザインをそのまま使用する内装業者には注意しましょう。デザイン案には著作権が存在し、他社のデザインを無断で使用することは違法行為に該当する可能性があります。 

例えば、ある会社のデザイン案を別の会社が「より安価に施工できる」と提案するケースは警戒すべきです。このような行為は単なる価格競争であり、品質やサービスの低下、さらには手抜き工事のリスクを伴うため将来的なトラブルの原因になります。

飲食店の内装工事の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

飲食店の内装業者を選ぶ際のポイント

飲食店の内装業者を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。

専門性の高さ

飲食店の内装業者を選ぶ際に、専門性の高さは重要な要素です。飲食店特有の設備や要件に精通した業者を選ぶことで、厨房、空調システム、衛生設備などの専門的なニーズに適切に対応できます。 

特に、居抜き物件での内装工事を考えている場合では、居抜き物件の改装に特化した業者を選ぶとより効果的な改装が可能です。既存設備を最大限に活用しつつ、新しいコンセプトに合わせて内装を変更する専門知識を持っているからです。

豊富な実績と多彩なノウハウ

豊富な実績を持つ内装業者を選ぶほうが安心です。多数のプロジェクトを経験している業者は、幅広い知見とノウハウを有しており、さまざまな要望に柔軟に対応できるからです。デザインや機能的な要件に応じた革新的な提案ができる能力があり、店舗の個性を最大限に引き出せるでしょう。 

コミュニケーションの取りやすさ

内装業者の担当者とコミュニケーションが取りやすいかの見極めも非常に重要です。内装を任せるにあたって、こちらの要望や気になるポイントに対して真摯に耳を傾けてくれるかどうかで、内装工事の成否はおのずと変わってくるでしょう。

詳細な見積もりを提示できる

当たり前ではありますが、詳細な見積もりを提示できる内装業者を選びましょう。工事の明細が分かりやすい見積もりは工事の全費用を理解し、適切な予算計画を立てるために不可欠だからです。詳細な見積もりの提示によって工事の透明性が保たれ、後のトラブルを防げます。内装業者が詳細コストを明示できることは信頼性とプロ意識を示す指標とも言えるでしょう。 

保証がしっかりしていること

保証がしっかりとしている内装業者は、自社サービスに自信を持っている証です。保証がある内装業者は工事後の問題や不具合が生じた場合に対応するため、安心して任せられます。工事の品質、使用する材料、期間に関する詳細など、保証範囲も確認しましょう。

飲食店の内装業者はポイントを押さえて選ぶ

今回は、飲食店の内装業者の種類や選定ポイントについて解説しました。内装業者を選ぶ際の重要なポイントは、専門性の高い業者の選定、豊富な実績の確認、コミュニケーションのとりやすさ、詳細な見積もり、そして保証がしっかりしているかどうかを確かめることです。予算を抑えつつ質の高い内装工事を行うためにも、内装業者の選定段階で決して手を抜かないようにしましょう。

そうは言っても、店舗の内装工事以外にも考えるべきことが盛りだくさんな飲食店経営者にとって、自社に最適な内装業者を選定するのは大きな負担になりかねます。そこで、店舗流通ネットの内装工事サービスなら、設計やデザイン、工事までを一括で行うため、さまざまな形態の店舗に対応できます。 

また、飲食店の内装工事の実績も豊富にあり、デザインや用途に関する希望をかなえやすいのも特徴です。予算を抑えつつ、納得のいく内装工事を依頼したいのであれば、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。