特定技能「外食業」で可能な業務とは? 外国人雇用を促進するための方法 

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コロナ禍での行動制限が解除され、外食需要が高まり再び活気が戻ってきました。その一方で人手不足に悩む店舗は多く、解決策として特定技能を持った外国人を雇う飲食店も増えています。

外国人の在留資格である特定技能は、国内の人手不足解消のために設けられた制度で、飲食業でも活用可能です。人手不足の解決策として有望ですが、実際にどのような業務内容を任せてよいのか分からず迷っているケースもあるのではないでしょうか。

今回は、外国人の特定技能の外食業分野について、制度を活用する際に知っておきたい情報をまとめて解説します。

‍特定技能「外食業」とは

特定技能とは、国内の人材不足解消のために設けられた在留資格の制度のことです。特定技能には1号と2号の在留資格があります。

  • 特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能の資格 
  • 特定技能2号:特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事するのに必要な資格 

2023年6月の閣議決定で特定技能2号の対象分野が拡大し、外食業分野でも受け入れができるようになりました。それまでは建設分野および造船・舶用工業分野の溶接区分のみが特定技能2号の対象でしたが、現在はビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の9分野と、造船・舶用工業分野のうち溶接区分以外の業務区分すべてが対象となります。変更内容は、2023年8月31日から施行されています。 

特定技能外国人と認められている人材は、各分野における専門性と熟練した技能があり、即戦力として期待できます。技能試験に加え、日本語試験の合格が必要とされるため、日本語での基本的なコミュニケーションが可能です。飲食業に従事する際にも基本的なスキルがあるため、教育にかかる手間が省けます。 

特定技能の資格を持った外国人が働くことのできる職種に関しては、こちらの記事から詳細をご確認ください。

特定技能「外食業」で雇用できる店舗・雇用形態・業務内容・報酬とは

外国人男性がピザを配っている様子

特定技能外国人を雇用できる事業者について解説します。

特定技能「外食業」で雇用できる店舗

業態については、基本的に飲食サービス全般での雇用が可能です。具体例を紹介しますので参考にしてみてください。

  • 客の注文に応じ調理した飲食料品、その他の食料品または飲料をその場所で飲食させる飲食サービス業 

具体的には食堂やレストラン、料理店などの飲食店、喫茶店などがあります。ホテル内や百貨店内にある飲食施設も対象です。 

  • 客の注文に応じ調理した飲食料品をその場所で提供する持ち帰り飲食サービス業 

厨房のみ設置しているテイクアウト専門店で、ピザ、唐揚げ、焼き鳥店などの例が挙げられます。 

  • 客の注文に応じ、事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける飲食サービス 

仕出し料理、弁当、デリバリー専門、配食サービスなどが挙げられます。 

  • 客の求める場所において調理した飲食料品を提供する飲食サービス業 

出張調理のケータリングサービス、給食事業などがあります。

また、特定技能外国人を雇用する飲食店の必須条件として、食品産業特定技能協議会への加入が定められています。農林水産省が運営しているこの協議会の構成員にならなければ、特定技能外国人の雇用はできないので注意してください。

参考:農林水産省「食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について」

特定技能「外食業」の雇用形態

特定技能で雇用する場合には、正社員(フルタイム勤務)での契約で、受け入れ企業の直接雇用が原則です。外食分野においては、派遣での雇用形態は認められていません。

特定技能「外食業」で可能な業務内容

飲食物調理、接客、店舗管理といった飲食店業務のほぼ全域で、以下のような業務が可能です。 

  • 飲食物調理:客に提供する飲食料品の調理、調製、製造 

例:食材仕込み、加熱調理、非加熱調理、調味、盛付け、飲食料品の調製 

  • 接客:客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務 

例:席への案内、メニュー提案、注文伺い、配膳、下膳、カトラリーセッティング、代金受取り、商品セッティング、商品の受け渡し、食器・容器などの回収、予約受付、客席のセッティング、苦情への対応、給食事業所における提供先との連絡・調整など 

  • 店舗管理:店舗の運営に必要となる業務

例:店舗内の衛生管理全般、従業員のシフト管理、求人・雇用に関する事務、従業員の指導・研修に関する事務、予約客情報・顧客情報の管理、レジ・券売機管理、会計事務管理、社内本部・取引事業者・行政との連絡調整、各種機器・設備のメンテナンス、食材・消耗品・備品の補充、発注、検品または数量管理、メニューの企画・開発、メニューブック・POP広告の作成、宣伝・広告の企画、店舗内外・全体の環境整備、店内オペレーションの改善、作業マニュアルの作成・改訂など 

こう見るとほとんどの業務が可能に見えますが、特定技能外国人が従事できない業務もあります。 

  • 接待飲食等営業での就労 

キャバクラ・スナック・ホストクラブなどの、風俗営業法第2条第1項に規定する「風俗営業」を営む事業所では特定技能外国人を雇用できません。風俗営業法(風営法)に規定されているような接待は禁止行為となっており、通常の飲食店でも接待行為は禁止されています。 

特定技能「外食業」の報酬

特定技能の外国人を受け入れる際、報酬は基本的に日本人と同等としなければなりません。出入国在留管理庁のウェブサイトにある「特定技能外国人の報酬に関する説明書」を提出し、出入国在留管理庁が定めた基準に則っていることを証明する必要があります。 

書類には、比較対象となる同等の経験年数や技術、知識を持つ日本人従業員を記載します。比較対象がいない場合には、比較的もっとも近しい職務に就いている日本人の職務内容や責任の程度などについて記載します。

特定技能「外食業」での雇用成功事例

実際に特定技能外国人を採用した飲食店の成功事例を紹介します。

マイナスイメージが大きくくつがえった外国人雇用

横浜家系ラーメンやとんかつなど、東京都、神奈川県を中心に幅広いメニュー分野を展開する企業の事例です。代表は以下のように語っています。

「雇用する前は、特定技能外国人に対して言語に対する不安や、コミュニケーションが取りにくいイメージを持っていました。しかし、実際には彼らは礼儀正しく、あいさつもしっかりとしており、笑顔が素敵でコミュニケーションについての不安も払しょくされました。」

日本という異国で言葉も満足に分からないなか、毎日ひたむきに頑張る姿を見て、日本人従業員の向上心も高まったそうです。単に人手不足が解消されただけではなく、周囲に好影響を与えているという点でも、特定技能外国人の雇用は大きなメリットがあるでしょう。 

日本人の採用の困難さから外国人社員の受け入れに注目

広島県内でお好み焼き店を数店舗、その他飲食店を国内外にも店舗運営する飲食企業の事例です。

「外国人雇用は初めてではないものの、手続きの流れや必要書類など、ビザ申請に関する知識がまったくなかったため、特定技能外国人の受け入れには不安を感じていました。雇用の課題を乗り越えた現在は、特定技能外国人は日本人の従業員に比べてハングリーさがとても高く仕事に熱心なため、運営を下支えしてもらえている安心感があります。社員として雇用していることもあり、仕事に対する熱量やモチベーションが高く、広い業務範囲を任せることができています。

指示したことは確実にこなす姿に信頼感を高めているそうです。現在は、裏方や簡単な調理を中心に担当しているものの、今後はホールも任せて、ゆくゆくはホール・キッチン関係なく、全般的に仕事をしてもらうことを希望しているとのことです。 

特定技能の外国人採用についての記事は、こちらをご覧ください。

スキル・コミュニケーション力が担保された特定技能外国人の活用を

特定技能外国人は、人材が枯渇する飲食産業にとって大きな希望です。一般的な外国人採用と比べると、既存スキルや語学力についての試験に合格しているため安心感があります。一方で、実際の雇用までには入社前のビザ取得をはじめとする多くの手続きが必要となり、たくさんの書類の準備が求められます。 

業務に支障を出さずに特定技能外国人の受け入れを進めるためには、プロの知見の活用がおすすめです。店舗流通ネットの人材サポートでは、飲食業界に特化した特定技能外国人材採用支援サービスを提供しています。即戦力となる外国人材の紹介だけでなく、ビザ申請時の複雑な事務手続きから教育・入社後の各種サポートまでをワンストップで提供しますので、ぜひご活用ください。 

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