店舗流通ネットは、これまで3,800件を超える出店支援の実績を活かし、飲食業界を中心とした特定技能外国人就労支援サービスサイト『VUI TOWN(ヴイ タウン)』を開設しました。企業のニーズに合った外国人材の紹介をメインとするこのサービスは、ビザ申請時の事務手続きや入社後の人材育成などのきめ細やかなサポートを行っています。外国人材と飲食店の双方が持続的に発展していくための海外進出支援も視野に入れた、新たな形の就労支援サービスです。
本記事ではVUI TOWNについて詳しくご紹介するとともに、事業にかける想いを担当者に聞いてみました。
目次
他では出会えない外国人材と出会うVUI TOWN
VUI TOWNとは、特定技能外国人材を飲食店に紹介する就労支援サービスです。飲食店の人材不足による経営課題に寄り添い、きめ細やかなコンサルティングを通して、スムーズな特定技能外国人材雇用を実現します。
VUI TOWNサービス内容
・求人票の作成
・ビザ申請書類の作成・申請代行
・就職後の定着率安定のためのコンサルティング
・生活確保・生活に必要な契約支援など外国人材の生活面のサポート
外国人材を雇用するメリット
・若手人材を確保しやすい
・シフトの融通が利きやすい
・即戦力として活躍できる人材を確保できる
・外国語を話せるスタッフが増える
人材採用までの流れ
飲食店の持続的な発展を目指した人材不足解消への取り組み
2014年店舗流通ネット入社。入社後は、5年程飲食店の出退店支援業務に従事。2018年より、飲食店の人材不足解消のため人材支援事業を立ち上げる。2019年より特定技能外国人材就労支援活動に取り組む。2019年4月には、ベトナムに特定技能在留資格の取得を目指す「TRN外食トレーニングセンター」の開校に尽力。2021年、農作物の収穫時期と共に繁忙期と閑散期が入れ替わる日本全国の産地をつなげる労働力のリレーを行い、農業経営者と外国人就農者を支援する「産地間人材リレー」を実現
――VUI TOWNが誕生した経緯を教えて下さい
基幹事業である飲食店の出退店支援を行うなかで、“人材不足”が原因で新規出店に踏み切れない店舗や、退店を余儀なくされる店舗を多く見てきました。当社は、これまで物件と資金に関するサービスを提供してきましたが、そこに人材支援をプラスワンすることによって、飲食店の持続的な発展が可能になるのではと考え、2018年に事業を立ち上げました。
事業立ち上げ当初は、日本人を雇いたいという希望が飲食店から多く挙がっていたのですが、飲食店の仕事は深夜勤務などの労働環境からあまり好まれない傾向にありました。
2020年以降は、コロナ禍による飲食店離れが加速したこともあり、正社員のみならずアルバイト・パートの働き手を探すこともままならないという状況が続きました。社会的な少子高齢化により若い労働力も不足していくなか、国内人材のリソースだけでは人材不足の解消はできないという結論に至りました。そこで、日本人だけでなく、一定のスキルを有した即戦力となる特定技能外国人材を起用する、人材支援事業を展開していきました。
ベトナムのトレーニングセンターの開校や、農業経営者と外国人就農者を繋げる産地間人材リレーの実現を経て、更なる可能性を感じたことから、より多くの飲食店の人材不足を解消するために特定技能外国人材の力を活用したいという想いが強くなりました。そのような経緯から、2022年10月に特定技能外国人材就労支援サービスサイト『VUI TOWN』をリリースすることになったのです。
――外国人材の雇用経験がない飲食店からすると、言語や文化、マナーの違いや定着率など、雇用ハードルが高いと感じることもあると思います。離職に繋げないために、飲食店と外国人材の双方が働きやすくなるよう工夫されている点はありますか
初めて外国人材を雇用する飲食店の負担と、慣れない場所で働く外国人労働者の不安を減らすため、お互いのニーズにマッチした状態でスムーズな雇用関係を結ぶことができるように心がけています。
その取り組みの例として、採用計画に則った求人票の作成や面接前の『0次面接』、入社確認書の作成など、採用前の準備段階から細やかなすり合わせを行っています。
求人票の作成
飲食店の採用計画に基づき、求める人材を迎えるために必要な項目を盛り込んだ綿密な求人票を作成。例えば、日本語力の高い外国人材を受け入れたい場合は、日本語能力検定(JLPT)の資格手当の項目を設ける。外国人材の成長が飲食店の成長に繋がるような仕組みづくりのために、外国人材の評価に応じた業績賞与の項目を設けるなど、企業の求めるニーズに則した内容を組み込む。
0次面接対応
定着率の安定化を目的に、送り出し機関・外国人材・当社の三者間で、日本の外食業で働く上での心掛けや注意点の教育、在留内容、働く意欲・ポテンシャルなどのヒアリングを面接前に実施。国や文化が異なる場合、ルールやマナーも異なるため、予め細かな情報共有をしておくことで、外国人材も飲食店も、双方が安心した状態で働くことが可能。
入社確認書の作成
内定確定後に、飲食店独自の規則の説明を行う入社確認書を作成。給与の算出方法やビザ申請の費用、通勤方法などについて飲食店ごとのルールや規則を明記し、入念な説明を実施。0次面談でも行う日本で働く上でのルール・マナーの教育に加え、実際に働く飲食店独自の規則とも認識を擦り合わせておくことにより、定着率の向上を図る。
このような3つの特長を持つ当社のVUI TOWNでは、他にも外国人材が日本で暮らしていく上で必要になる住居周りのサポートなど、登録支援機関として生活面の支援も行います。外国人材が労働環境・生活環境において不安を感じないためにも、一つひとつ寄り添いながら丁寧な対応を心掛け、飲食店側での負担を最小限に抑えられるよう支援を行っています。
――実際にサービスを利用した飲食店からはどのような声がありましたか
当社がサポートさせていただいた飲食店では、外国人材に対して高い好感を抱いていただくことが多く、実際に一緒に働くことで日本語力の高さや勤勉さを実感していただけています。また、外国人材の熱心に働く姿が、日本人従業員のモチベーション向上の一因になっているという声も聞きました。さらに、当社で支援を行った外国人材の中には、入社半年で店長を任されている外国人材もいます。飲食店にとって不可欠な存在になっている彼らの活躍が嬉しい限りです。
求人票の作成などのコンサルティングにおいても、外国人材雇用の負担を軽減できたと、大変ご好評いただいています。そのお陰もあり、リピーター様や口コミでのご紹介も多くいただき、2022年12月末時点では、前年比約340%の支援者数を記録しました。
社会情勢として外国人材への需要が高まっていることもありますが、外国人材を雇用したいという前向きな姿勢の飲食店もこれまで以上に増え、飲食業界における人材雇用のパラダイムシフトを大きく実感しましたね。
ベトナムへ”リトルジャパン”を創出!VUI TOWNのゴールは「楽しい街づくり」
――今後、VUI TOWNを通じて、どのようなことを実現したいと考えていますか
当社で就労支援している外国人材の多くは、ゆくゆくは母国へ帰り自分の店を持ち、そこに来るお客様に対して日本の技術やおもてなしを還元したいという志を持っています。
そして、外国人材を雇用している飲食店からも、外国人材の能力を日本だけに留めておくことは勿体ないのではないか、という声も耳にしてきました。そのようなお互いの声を拾い、何か新たな形として貢献したいという発想から、VUI TOWNを通じて将来的に、複数の飲食企業で手を取り合い、ベトナムの地に日本の飲食事業・文化を体験できる“リトルジャパン”を創出する計画を始動させています。
ベトナムは日本とは異なり駅が少ないため、駅前集客といった駅ポテンシャルは一切通用しません。そのため、他にはないインパクトのある形で出店することが重要であると考え、複数企業での出店という形で実現したいと考えています。
年々GDPの成長を続けているベトナムでは、数年前まで日本人駐在員やベトナムの富裕層が日本食料理店を利用するイメージが強くありました。しかし、近年では、「健康に良い」などの理由から、ハイエンド市場からミドルレンジ市場への広がりを見せつつあり、日本食のニーズも高い傾向にあります。現地での客単価は、日本と同水準に近づいているにも関わらず、食材などの原材料や家賃は、日本よりコストが抑えられるため、利益率の高い店舗運営が可能です。
このように、マーケットとしても有望なベトナムで、当社が支援した外国人材と飲食企業とが出店を通じ、持続的な発展を遂げることができれば、VUI TOWNに込めた想い、『楽しい街づくり』(VUI=ベトナム語で「楽しい」)のゴールに繋がるのではないかと考えています。
――最後に一言お願いします!
外国人材を取り巻く環境において、2019年12月より世界的パンデミックとなったコロナ禍以降、2020年4月から2022年2月まで海外からの入国制限が実施されていたことにより、2023年4月から2025年2月までの期間、技能実習生2号修了者が日本国内で急減します。
一方で、昨年6月頃から12月頃までに多くの外国人材が母国に帰国しており、そういった人材を海外から採用する手段が有効と考えています。有効求人倍率がコロナ禍前と同水準に戻りつつあるなか、これから先2年間は、外国人材も含め再び人材確保が困難な時代となることが予測されます。
混沌とした時代だからこそ、新しいチャレンジをご希望される企業様に対し、店舗流通ネットでは『VUI TOWN』というソリューションを通じたサポート行い、外国人材への充実した労働環境の提供と飲食店がこれまで以上に活性化し、街全体が明るくなるような取り組みを行っていきたいと考えています。