2020年11月、店舗流通ネットの子会社として設立された、TRN Capital Management株式会社(以下:TCM)。TRNグループは、店舗ソリューション事業・店舗リース事業・店舗不動産事業の3つの柱を主軸としていますが、TCMでは新たな成長戦略の一環として、TRNグループにグループインを果たした企業の育成に重きを置き、両社の相互発展につながる提案を行っています。
今回は、そんなTCMの事業を改めてご紹介するとともに、設立の背景から今後の展望、TRNグループの強みを活かし挑戦していきたいことなどをTCMの精鋭、和田、乗竹、岸本の3名に語ってもらいました。
目次
TRN Capital Management(TCM)とは
TCMでは、親会社である店舗流通ネットが培った外食ビジネスでの経験を基に、店舗を軸とした企業様を対象に収益性のある企業へとスケールアップするための支援を行っています。事業の育成に力を入れた「投資育成事業」を主力とし、「M&A事業」や「CVC事業」を展開。事業内容や業績の見直しだけではなく、経営課題・資本政策・販路拡大など、中長期的な事業計画の作成からその実行まで一貫した支援を実施しています。
私たちは、営業利益やキャッシュフローの改善、資金調達などのスケールアップ施策によって企業様の収益性を高めることが、店舗の繁栄、そして街の活性化へと繋がると考えています。TCMの事業も、コーポレートスローガン「明日の街、もっと楽しく。」の実現を目指した取り組みのひとつです。
TCM設立の目的と背景、「100の事業」「100人のトップ」への加速
ここからは、実際にTCMの業務に従事している和田、乗竹、岸本の3名のインタビューを通し、会社設立の背景から今後の展望までを詳しくご紹介させていただきます。
2018年店舗流通ネット入社。大手セメント会社に入社後、子会社IPOに関わり出向、転籍。リーマンショックによる上場廃止、リストラを経て、その後の経営再建、海外子会社運営など幅広く経営全般に携わる。2021年6月よりTCMに出向し上記経験を活かす。
2020年店舗流通ネット入社。日本国内での飲食店出店に携わった経験から、東南アジアで海外進出をコンサルティング、帰国後はM&A業務に従事。TRN Capital Management(TCM)でのグループイン企業の開拓とは別に、アニー社では数値管理の実走に注力。アニーの新業態への進出や将来ビジョンにむけた新施策の実現を目指して奮闘中。
2021年店舗流通ネット入社。大学在学中の起業経験や、前職のみなし大企業の事業再生などの経験を活かし、TRMキャピタルマネジメント(TCM)の投資育成事業に従事。2021年3月にM&Aをした株式会社アニーに2021年6月より出向し、PMI及び同社のバリューアップにつながる施策に取り組んでいる。
TCM設立の経緯 ~TRNグループの課題を解決し、グループの推進力となる~
乗竹:TCMは、TRNグループが掲げるビジョン、「100の事業、100人のトップの創出」の達成へ向けて、M&Aや自社グループインによる事業拡大を行うことを目的に設立されました。子会社化したのは、店舗流通ネット(TRN)という大きな母体で動くよりも、「店舗不動産事業」のTRNシティパートナーズ(TCP)、「不動産投資事業」のTRNインベストメント・マネジメント(TIM)、そして「投資育成事業」のTCMと、各々の事業に特化した企業としてスピード感をもって動ける体制を作りたかったからです。
また、今後中小企業の黒字倒産、会社資本の縮小による倒産、それに紐づく失業率の増加や、地方の過疎化が進むことも懸念されています。TCMがM&A(グループイン)事業を手掛けることで、創業者の想いの持続やそこで働く従業員の成長や幸せをはじめ、店舗を軸とした事業を担っている企業様の手助けとなり、この業界の活性化に貢献できると考えました。
岸本:TCMは、今後TRNグループの課題になることを解決していくために設立された会社です。自分たちでM&Aを行い、ドライブして、資金を作って、また新たにM&Aを行う。その過程で、経営者になり得る人材が育っていく。まさに「100の事業」「100人のトップ」に向けた歩みを推進するために作られた会社だと考えています。
もちろん、社会課題を解決する役割もあります。特に高齢化による事業承継問題は深刻です。技術もある、商品も素晴らしい、けれど後継ぎがいないといった企業様を我々の投資育成の経験やスキルを活かし、後世に残していく。この役割を担っていきたい。そして将来的に、日本の技術やノウハウをグローバルに展開するといった、大きなビジョンを描いている会社がTCMです。
TCMの業務で大切なのは信頼関係と自走する力の促し
和田:TCMの最初の取り組みは、株式会社アニーをTRNグループに迎え入れることでした。当初は、通常のM&Aを想定していたのですが、いざ取り組んでみると文化や習慣の違いに直面しました。将来の経営幹部や経営者を育てていくことは、今後事業を拡大していく上で、TRNグループ全体の成長に繋がります。そこで、ユーティリティにインフラ、ヒューマンリソースを整え、地盤を整備する投資「投資育成」に腰を据えることにしました。
投資育成において重要なのは、自分がプレーヤーになるのではなく、自走する力を育てるということです。いずれは、私たちの手を離れ自立した存在になって貰う必要があるので、そのための知識や経験、時には厳しいことも伝えます。関係を構築しながら成長を促し、ルールを整備し、自走する力を身につけてもらう。結果として、新たな経営者を生み出すことになります。
岸本:投資育成事業はすぐに結果がでるわけではなく、1つ1つ課題に向き合っていかなくてはいけません。ですが、その行動がビジョンの実現に繋がっていると思うと、今が踏ん張りどころと力が入ります。良い事業を行っている企業に新たな視野や視点をもたらすことで、より良い方向へ変革を促せることができた時は、嬉しく、やりがいを感じる瞬間でもあります。きちんと想いを持って業務に取り組む、人と接することが大切な仕事です。
TCMがいて良かった、TRNグループにグループインして良かったと、思ってもらえるような存在になるために、我々が関わることでどのようなメリットがあるのか丁寧に説明することを心掛けています。
乗竹:「組織においては存在するが、いち人間(個人)での上下関係はない」これは私の哲学なのですが、TCMが投資育成環境として目指しているのは、【「こうなりたいからこうしたい」という目標設定が、親会社や子会社問わず、お互いに言い合える環境の構築】です。モチベーションを与えることが難しいと言われる時代です。描く未来に対し、過度なテコ入れはせず、将来へのやりがいを持ち続けられる環境づくりが大切になってきます。しかし、TRNグループは民間企業であるため、経営判断には数的根拠も必要です。新たにTRNグループに参入した企業含め、TRNグループ全体で目指していきたいゴールへの相互理解を深め、どのように会社を成長させるかを話し合い、実績を作っていくことを常に考えています。今後、グループイン企業が増えたとしても、ここは変わらない、変えたくない部分です。
TRNグループだからこそできる投資事業と今後の展望
和田:TRNグループは創業以来、飲食店を中心に3,800件を超える店舗の出店サポートを行ってきており、積み重ねてきたデータの重要性を理解しています。だからこそ、何を改善し、何に取り組んだら良いかが分かり、今後の展開について最善策を提示することが可能です。引き続き自走体制の基盤を整備しながら、幹部候補となる人々の育成に努めていければと思います。
岸本:TRNの会社の成り立ちを振り返ってみても、様々な成長と失敗の経験を積んできた会社だからこそ、事業に対して一筋縄でいかないことを見据え、地道に取り組むことの大切さを知っています。未来をきちんと描けているのであれば、基盤づくりに多少時間がかかってしまうことへも理解することができます。それは、TRNグループならではの強みだと考えています。だからこそ、今後も「投資育成」といった部分には力を注いでいきます。そして、「100人の事業」「100人のトップ」に最も貢献したのは、TCMだと思われるような結果を出していきたいです。
乗竹:グループインするまでのプロセスには、M&Aの専門的業務が必要ですが、グループイン後においては、それぞれが考える社会市場における敏感な発信や感受性が重要だと考えています。ビジョンの達成に向け邁進するには、TRNならびにグループイン企業での知識や経験、ノウハウが必要です。グループ各々の強みを活かしつつ、化学反応を生み出しながら、グループ間で協力をして事業を展開していきたいです。
また、今後はスピード感も重視して、意見交換可能な環境を積極的に作り上げていきたいと思います。そんな私たちの活躍をみて、TCMで働いてみたいという志を持った仲間も増やし、同じ思いを持った方々と共にビジョンの達成を目指していきたいです。
未来を見据えているからこそ、自走する力を育てることに重きを置いた「投資育成事業」を担うTCM。今後もお互いに自立しつつ、共に成長できる協力関係の強化を図り、TRNグループの課題に取り組んでまいります。TRNグループのビジョン、「100人の事業」「100人のトップ」に向かう推進力を担う、TCMの活躍にどうぞご期待ください。