• トップ
  • カルチャー
  • 男性の育児休業 -「ワーク・ライフ・バランス」の実現へ向けたTRNグループの取り組み-

男性の育児休業 -「ワーク・ライフ・バランス」の実現へ向けたTRNグループの取り組み-

公開日:

更新日:

TRNグループは2018年より、「働きやすい職場環境づくり」「子育て支援」「介護支援」におけるワーク・ライフ・バランス推進企業として認定されています。TRNグループの全従業員が働きやすい職場づくりを推進する中で、男性の育児休業や産後パパ育児休業の取得推進にも力を入れています。
今回は、ワーク・ライフ・バランスの実現へ向けた、育児休業制度を実際に利用した男性社員2名に、育児休業制度が家庭や業務にどのような効果をもたらし、自身の成長を促したのかについてお話をお伺いしました。

TRNグループの男性社員の育児休業取得

TRNグループの人事総務部では、2022年10月の法改正に伴い、これまで存在していた福利厚生制度に関して、改めて社員に周知・浸透させるために、見直しを行い、新たに会社目標を設定した上で告知を行いました。会社としても、仕事と育児の両立を図れる職場環境は、社員の効率的な働き方の促進や、就労継続、昇進意欲の向上、職場の結束力の強化につながると考えています。予め環境整備に努めてきたことで、法改正が行われた直後の制度利用にも迅速な対応を可能にし、2022年4月から2023年3月までの男性社員の育児休業取得率は50%を誇っています

育児休業制度を利用した男性社員にインタビュー

小針 哲夫(コバリ テツオ) / 業務ソリューション部 業務推進課

第二子の誕生に伴い、法改正が行われた10月に育児休業を1ヵ月取得。自分が取得することで、男性社員も育児休業制度を今以上に利用しやすい風土を作りたいと考えている。子どもたちが寝る前には絵本の読み聞かせをし、夏祭りが中止になれば手作りで自宅夏祭りを開催するなど、TRNグループを代表するイクメンパパ。

國定 勇介(クニサダ ユウスケ) / 業務ソリューション部 業務推進課

初めての出産で不安を抱える妻の支えになりたいと、育児休業を1ヵ月取得。日頃から趣味で料理はしていたものの、1ヵ月間家事を担当したことにより、家事の大変さを身をもって体験し、妻の偉大さを知る。最近は、日々成長をする我が子にどんな絵本を読み聞かせようかと情報収集に余念がない、新米イクメンパパ。

育児休業取得に向けての準備と課題

ー育児休業制度について以前から知っていましたか?取得しようと思ったきっかけや取得前の不安などをどのように解決したかを教えてください

小針:第一子誕生時は、正直言うと、男性の育児休業取得の必要性を全く感じていませんでした。そんな中、10月に法改正が行われ、ニュースで目にする機会も増え、社内でも制度の告知がありました。子育ての経験を経て、育児の大変さが身に染みたこともあり、2人目の時は絶対に育児休業を取得しようと考えていました。業務推進課は、男性社員全員に子どもがいることから、育児や子育てに対する理解度も高く、取得しやすい背景もありました。
休業するにあたり、「自分にしかできない業務」が存在していたため、早い段階から計画を立てて引継ぎを行いました。余裕を持つことで、引継いだ業務が問題なく遂行されるかを確認することもでき、安心して休業に入ることができました。また、普段から業務共有と情報共有を密に行っていたため、互いに業務の進捗を把握できていたのも良かったと考えています。

國定:育児休業制度については、社内のポータルサイトに情報が公開されていたため、知識としては知っていましたが、あまり意識はしていませんでした。実際に子どもができ、同じ部署の小針さんが先駆けて取得したことが、制度の利用を考えるきっかけになりました。上司をはじめ、同僚たちも、「業務のことは気にしなくてよいから」と、取得を悩む私の背中を押してくれたのもありがたかったです。
業務に関しては、引継ぎなどの必要はありましたが、普段から同じ業務に従事している仲間がいたため、思っていたよりも難しくなく、不安を抱くことはありませんでした。不安を感じたことと言えば、やはり収入面でした。家族が増え、これから出費が増えるにもかかわらず、休んでも大丈夫なのだろうかと心配になり、育児休業取得に向け、貯蓄を始めました。もちろん、休業期間中の給付金はあるのですが、支払い日が給料の支払いサイクルとは異なるので、その点を考慮する必要もありました。

育児休業中の経験と学び

ー育休中どのような経験をしましたか?また、新たな気づきや学びはありましたか?それは、あなたの子育てや業務にどのような影響をもたらしましたか?

國定:掃除や洗濯、ゴミ捨て、買い物など、生活をする上でやらなくてはいけないことはたくさんありますが、毎日献立を考え料理をすることが何よりも大変でした。毎日おいしい料理を作ってくれる妻の偉大さを再認識しました。実際、「毎日の献立を考えなくてよいだけで、気持ちがすごい楽、助かる!」と、妻に言って貰えたことは、嬉しかったです。「出産は全治2ヶ月の交通事故と同じ」とよく言われますが、育児休業制度を活用したおかげで、産後の妻に無理をさせることなく過ごすことができ、本当に良かったと思っています。
また、初めての出産・育児ということもあり、自分がいることで精神的にも安心感を与えることができたので、産後鬱などの抑止・防止につながったと考えています。
私にとっても、貴重な新生児の期間を一緒に過ごせたことは、かけがえのない宝物ですし、1ヵ月で目まぐるしく成長する我が子の姿を見守ることで、父親としての自覚も育ち、身が引き締まりました。業務においても、家事をしながら育児を行う大変さを知ってからは、いかに残業を減らし、家事を行う時間や家族と共に過ごす時間を作り出すかを考えるようになり、タイムマネジメントの意識が高まりました

小針:第一子の時は、出産直後の妻に負担をかけてしまったこともあり、2~3ヵ月ほど、交互に体調を崩すことを繰り返していました。今回、育児休業を取得して感じたことは、“育児休業は全くもって「休業」ではないということです。通常、「休業」という言葉を使用すると「休んでいる」印象を与えがちですが、正直自分にとっては、仕事よりも家事・育児の方が数倍辛く、大変でした。仕事であれば、言葉も通じ、意思疎通が図れる相手がいるのに対し、育児はそうはいきません。
我が家は二人目なこともあり、新生児のお世話の他に、第一子のケアも必要でした。子どもが新生児の横を走り回ることもあるため、目が離せませんでした。育児休業を取得したことで、子どもたちの相手を自分が担当し、妻は体力回復に時間を使うことができたので、今回は体調を崩さずに済みました。また、1ヵ月という短い期間の中で、できることも顔もどんどん変化する子どもを目の前にし、感動の日々を過ごすこともできました
業務に関しては、育児休業を経てパフォーマンスが向上したと思います。育児休業取得にあたり、「自分がやらなくてはいけない業務」・「人に頼んでもよい業務」・「無くしてもよい業務」と整理整頓ができ、復職後は新たな取組みに時間を割くことができています。

育児休業後の復帰に向けて準備したことと制度を利用したい人へのアドバイス

ー育休後の復帰に向けてどのような準備をしましたか?また、この制度についてどう考えますか?

國定:職場復帰に向けて準備したことは、生活のスタイルを少しずつ仕事モードに移行したことです。普段から、部署のメンバーが業務の情報共有をこまめに行ってくれていたこともあり、復帰に対する不安はありませんでした。男性が育児休業を取得する風潮があまりない状態から、いち早く制度を整え、環境の整備や取得、復帰しやすい雰囲気づくりをしてくれた会社や部署のメンバーには、感謝しかありません。
制度利用者として、これから親になる社員の皆さんには、制度の利用を強くお勧めします。「自分が抜けたら仕事が回らなくなってしまうい、迷惑をかけるのではないか」と考えがちですが、思っている以上に周囲の仲間は頼もしく、助けになってくれます。まずは一度、周りに相談してみてください。
実体験からアドバイスをするとすれば、休業中に困らないよう、普段から貯蓄をしておくとよいと思います。インタビューを受ける話を妻にした際、「出産2ヵ月目から赤ちゃんが起きている時間が長くなり、授乳の回数も増え、寝不足が辛かったから本当はもう1ヵ月休業して欲しかった」と打ち明けられました。とはいえ、出産後は何かとお金が入用になるので、今後のことを考えて1ヵ月で復職しました。ただ、出産後は何が起こるか分かりませんし、貯蓄は多めにしておいた方が安心かもしれません。

小針:職場復帰する際に気を付けたことは、妻への負荷が一気にかからないようにしたことです。テレワークなどの段階を踏ませてもらいながら、職場復帰をさせていただいたのですが、同僚、先輩、上司、会社の理解と支援があったお陰だと感謝しています。一方で、育児休業制度の取得は、権利でもあります。だからこそ、当たり前のことと捉え、もっとみんなが取得しやすい環境が広がっていけばよいと考えています。
育児には、喜びや楽しみがある一方で、大変なこともたくさんあります。余裕がなくなり、子どもを叱ってしまった時には、自らを責め、孤独感や不安感に苛まれてしまうなど、葛藤の毎日です。これは育児だけでなく、介護にも言えることで、社会課題の1つだとも考えています。育児や介護を最小単位で解決するのではなく、そういった社会課題に向き合っている人の気持ちに寄り添い、フォローの輪の中に会社や組織が介入し、「あなたの育児(介護)を応援していますよ」という風土をもっと広げていきたいです。
安心して子育てができる環境は、社員のロイヤリティを向上させ、仕事のパフォーマンスにも良い影響を及ぼすと思います。だからこそ、育児休業などの制度をみんなが前向きに取得できるよう、声を上げていきたいと考えています。

社員の「ワーク」だけでなく「ライフ」を考えられる企業として

店舗流通ネットが所属するTRNグループは、企業理念である「社会から必要とされる企業になる」「社員が誇れる企業になる」ために、従業員が働きやすく、継続して勤務し続けられる企業としての環境を整備しています。従業員の健康と仕事、家庭の両立は、ワーク・ライフ・バランスの充実に不可欠であり、生活の充実から個人の成長、生産性の向上、企業成長につながると考えています。

会社の魅力をより分かりやすく社内外に伝えるためには、会社が社員のことをどれだけ大切にしているかを「形」として示していくことも必要です。社員のことを想い、社員の「ワーク」だけでなく「ライフ」を考えた活動を続けるTRNグループ。当社の経営理念の1つでもある「社員が誇れる企業になる」に基づき、今後も「ワーク・ライフ・バランス」の充実を目指した取組みを行ってまいります。