店舗流通ネット株式会社は、2019年から行っている特定技能を持つベトナム人を対象とした人材紹介支援において、農業経営者と外国人就農者を支援する「産地間人材リレー」を実現しました。
目次
繁忙期が異なる産地間の協力体制構築に成功
本取り組みは、当社がベトナム人材を昨年2021年4~10月の繁忙期に長野県の農家に紹介し、その期間中、農業特定技能試験の合格支援を行った上で、長野県の閑散期が始まる11月より繁忙期となる長崎県の就労先農家を紹介、さらに今春再度長野県にUターンできるよう支援する就農プログラムです。
「産地間人材リレー」とは
農作物の収穫時期と共に繁忙期と閑散期が入れ替わる日本全国の産地をつなげる労働力のリレーを支援する活動です。
農業経営者と外国人就農者との共存共栄
外国人材を育成することを重視し、独自に開発した評価制度や雇用条件に賛同を得らえた農家のみが参加可能であり、農業経営者と外国人就農者が共存共栄し日本の農業を発展させるための、これまでにはない農家、監理団体、登録支援機関、送り出し機関参加型のソーシャルイノベーションを目的としています。
農業格差を改善する「産地間人材リレー」
これまで外国人材は、一定のルールはあるものの労働条件等の賃金は就労先の農業経営者によって決められていました。その結果、高賃金や良い居住環境を整えることのできる農業経営者が先行して人材を確保できる偏りが発生し、そういった条件を提供できない農業経営者は安定して就労者を雇うことができず、格差が生まれていました。また就農者にとっても、繁忙期ごとに移動するための費用や労働条件などの把握は、大変苦労するものでした。
抱えていた課題
①外国人材側が半年間ごとに移動する手間と継続雇用に不安を感じている
➁農家側が技能実習生の採用経験が多いが、特定技能に関する知識が不足していた
③4月、11月の人材雇用ニーズが産地同士でバッティングしている
解決した問題
①産地間人材リレーに参加する外国人材側の雇用条件を大きく見直した
➁特定技能説明会を各地で開催しこれまでの常識を変える考え方を示した
③農家ごとに相手産地の収穫スケジュールに協力する体制を構築した
利用者の声
長野受け入れ先農家の声
・これまで技能実習生1号に頼り、毎年新規で人材を採用していたが、その必要がなくなった分、就農者が長野に戻ってきた際に車の運転ができるよう免許取得のための費用負担をしてあげることができた
・毎年0から仕事の仕方を教育する苦労や収穫シーズンを乗り越えらるかの不安から解放された
・人材紹介料への支払いが減った分、就農者の給料を上げることに成功し仕事に取り組む姿勢や質が格段にあがった
長崎受け入れ先農家の声
・地方都市ということもあり、日本在住者の人材確保に苦戦していた
・11~5月の閑散期に人材を抱える必要がなくなり年間の人件費が軽減された
・産地間人材リレーのプロジェクトに参加して、時給だけではなく就労環境を整備することができ応募が増えた
ベトナム人就農者の声
・たくさんの職種を経験でき帰国後も活かせそう
・日本語には自信がなかったが、母国でも経験していた農業の仕事であれば、自信を持ってチャレンジできた
・夏も冬も繁忙期の仕事に就くことができ高い収入を得ることができた
プログラム開発者の声(店舗流通ネット 人材事業/プロダクト課 仲西)
・産地間人材リレー成功に必要なことは、農家、登録支援機関、管理団体、送り出し期間が一体となり就農者の将来を創ることだと考えた
・そのために、外国人材が農業で働きたいと思う評価方法を農家の方に導入していただくことに専念したことが、本プログラム開発の大きなターニングポイントだった
レタスの出荷状況
レタスの出荷期間は、各地によって異なることがわかります。
出典:独立行政法人農畜産業振興機構 https://www.alic.go.jp/
店舗流通ネットの外国人材採用支援の特長
□「特定技能生」が対象なため、一定の専門性と技術を持っている
□ベトナム政府機関と連携した安全なルートで人材紹介
□ビザ申請、住居支援、苦情相談、日本語習得支援等、専任スタッフが就労者、農業従事者どちらに対してもフルサポート
これまでの活動
<地方活性化>
少子高齢化で採用難が進行する地方都市での人材採用を実施(岩手・宮城・石川・福島・新潟・長野等)
<海外での人材教育>
ベトナムにジョブトレーニングセンター設立・特定技能合格のための教育支援を実施
<中小企業再生>
行政と連携し中小企業様に対して、情報の伝わりにくい外国人材雇用に関する正しい知識・情報を提供
<地域活性化>
外国人就労者の食環境に配慮し地元スーパーへベトナム食材供給を実施
店舗流通ネットは、コーポレートスローガン「明日の街、もっと楽しく。」の実現へ向けて、これからも外国人材人材採用支援を通じて、明るく活気ある社会を築くための活動を続けてまいります。