(*2022年2月時点の情報です)
TRNグループでは商業ビルの自社開発に力を入れています。その第1弾として、駅前商圏の拡大が著しい名古屋駅から、徒歩1分の場所に位置する「TRUNK名古屋椿町」が竣工しました。このビルについて、TRNシティパートナーズ株式会社(TCP)の取締役、金子貴是が紹介いたします。
目次
TRUNK椿町の開発に至った経緯
この不動産開発案件に取り組んだきっかけは、地元不動産業者様にご紹介頂いた借地権付土地建物売買の情報からでした。
・飲食企業が保有する借地権付きの古い建物
・借地権の金額を考えるとフルボリュームで再建築しないと収支が合わない
・敷地面積50坪に対し、間口が約7mと狭くプランを入れづらい
という物件で、さらに借地権であることから銀行融資が受けづらく、購入者はかなり限られる物件だったため、売買を扱う不動産業者もあまり積極的に取り扱っていなかった様です。
実際に購入した後、この物件を知る大手デベロッパーの方からは「よく取り組む判断をしましたね!」といわれるほどでした。
しかし、
・名古屋駅から徒歩2分弱
・駅直結の地下通路出口目の前
・物件前通行量はかなり多い
という立地上の利点から、「再建築した後、ビルが認知されるまで時間はかからない」と判断しました。
また、この物件の位置する「椿町」は、近年こそ開けてきたエリアであるものの、もともとは「駅裏」と呼ばれ、新しいビルも少ないエリアであったため、ファサードプラン次第では目立つ物件になることも想定していました。
当時のTRNグループは自社開発は取り組んでおらず、ノウハウはほとんどなかったので、収支プランは比較的固めに立てましたが、立地のプラス要素と当社独自のリーシング力であれば、十分採算を取れると確信していました。投資額が大きいことから、取り組みの判断まで一定の時間を要したものの、それまでのビルコンバージョン・マスターリース・大規模修繕を実施し、満室稼働させてきた実績があったからこそ、最終的には開発に取り組む判断をすることが出来ました。
ビル開発にあたっての困難
一番大きなハードルとなったのは、建設を担って頂く協力業者様を見つけることでした。今でこそ様々なお付き合いをさせて頂けるようになったものの、当時は自社開発に着手していなかったため、建設業者とのパイプはゼロ。建設業界で無名な当社との初取引、前面道路は車の交通量も人通りも多い上、間口の狭い物件であるため難しい工事が想定される、かつ、当時の建設業界は活況の時期、多くの建設業者様から断られました。 そんな中、出来ると言ってくださったのは、株式会社杉本組さんでした。
創業1943年、名古屋市を中心に総合建設事業を手掛ける杉本組さんは、地元の老舗企業であり、工事実績としても間口が狭い所謂「ペンシルビル」の建設実績も多く、営業担当の方も知識や経験が豊富で信頼できる方でしたので、当社の初めての開発事業における建設という重要なパートをお任せすることになりました。
外観は、入居テナントが十分目立つように、壁面看板、袖看板共に周囲のビルよりも大きいサイズで計画。
ビル名は樹の幹を意味する「TRUNK」に決定し、全体のデザインは建物の意匠設計にも造詣の深いデザイナーさんにアドバイスをもらいながら樹の幹のイメージし、ビル名を表現するものにしました。
リーシングに関しては今後の当社ビジネスの広がりを持たせるためにも、業種を絞らずに広くテナントを募り、8フロア中、2フロアが物販・サービス店舗、6フロアは飲食業として入居され、当初の収支プランを上回ることが出来ました。
立地によっては飲食業よりも物販・サービス店舗の方が賃料を負担できるということを、この取り組みによって実感できたことも大きな収穫でした。
今後の不動産開発について
近い将来、リニア新幹線の開通を控える名古屋駅前に人が集まるスポットを創出出来たことで、当社のスローガンである「明日の街、もっと楽しく」をまた一歩、踏み出すことができました。
「TRUNK」は、英語で「樹の幹」という意味です。「幹となる事業によって、伸びゆく枝、茂る葉となる入居テナント様の繁栄を支え、街の発展という果実を実らせていきたい」という意味を込めてビル名を付けました。
今後もさらに開発事業を促進し、楽しさを実らせる幹を植え続け、いずれはこれらが森となることで、全国の街が笑顔で溢れることを願い、これに貢献していきたいです。
建物概要
TRUNK椿町
所在地:愛知県名古屋市中村区椿町14-7
交通:JR名古屋駅 徒歩3分
用途:店舗ビル
構造:鉄骨造
規模:地上8階建
面積:1,568.51㎡